ウレタン防水とは
建物を防水する材料にはこのようなものがあります
建物の防水工事に使用する材料にはいくつかあり、それらを使用した工法が確立しています。主だったものをご紹介しましょう。
防水工法として最も古くより実用化されているのがアスファルト防水熱工法です。この工法は、アスファルトルーフィングというシート状の材料を、防水工事用アスファルトというアスファルト塊を高温で溶かし接着剤代りとして張り付ける工法です。通常シートを何層か張り合わせることにより、防水の信頼性を高めています。歴史もあり、信頼性のある工法ですが、防水工事用アスファルトを溶かすときに高温を必要とするのと、その時に臭いを発生するという大きな問題があります。二酸化炭素削減が叫ばれているおり、このような高温を必要とする工法は、だんだん使用することが難しくなるでしょう。また都市部では臭いの発生も大きな問題となっています。それらの問題に加え、高温を扱うための危険性、アスファルト自体で汚れることなど、いわゆる3K問題を抱えるために、施工する職人の数が激減しています。アスファルト防水はすばらしい工法なのですが、これら諸問題を考えると、徐々に使える工事が限定されていくものと思われます。
続いてシート状の防水材料を、接着剤などで張り合わせて防水層を形成するシート防水工法というものがあります。素材としてはゴム系と樹脂系(塩化ビニル樹脂など)があり、ゴム系は基本的に接着剤を用いて下地やシート同士のジョイントを張り合わせます。樹脂系は、シート同士を高熱を加えることにより溶かして張り付けるというものです。素材自体は大変に安定した素材で、それだけを考えると信頼の置ける防水工法となるのですが、現実にはシート同士を人間が張り合わせる工法であるために、ジョイントの信頼性に難があります。また薄いシートのため下地の突起などで穴があき易く、確実な防水層を作り出すには、それなりの努力が必要となります。
最後に、今後もっとも期待できる工法である塗膜防水工法をご紹介しましょう。塗膜防水工法には、ウレタンを原料にしたものの他、FRPを素材にしたものなどがあります。FRP防水も、最近では多く使われるようになりましたが、やはり塗膜防水といえばウレタン防水というほど、ウレタン防水の需要は大きくなってきています。